イベント情報

【2025/4/16】~熊本地震から9年~ KIOKU防災講演を開催しました

2025年4月16日、令和7年度くまもと防災ウィークの関連イベントとして、熊本地震震災ミュージアムKIOKUにて防災講演を開催しました。
会場には防災に関心のある地域の方々50名以上が集まり、活断層地震や災害アーカイブの活用について、学びと対話の時間が持たれました。

◆ 基調講演「活断層地震にどう向き合うか -くまもと阿蘇から世界へ」
講師:鈴木康弘 氏(名古屋大学 減災連携研究センター 教授)

鈴木教授からは、日本各地で繰り返し起きている活断層地震について、これまでの知見をもとに詳しいお話がありました。熊本地震での激しい揺れや被害の広がり、「震災の帯」と呼ばれる現象など、私たちが日頃あまり意識しない地質の話も、わかりやすく説明していただきました。
災害は頻繁には起きないけれど、起きた時の被害はとても大きい――そんな「低頻度巨大災害」への備えについて、地域ごとの対策の必要性や、世界に向けた発信の大切さも語られました。

◆ セッション「災害アーカイブを活用した防災人材育成の取組み」
講師:内山琴絵 氏(信州大学 教育学部 助教)

内山助教は、長野県白馬村での地震の経験をもとに、地域の人たちが中心となって行う防災活動の取り組みを紹介。デジタルアーカイブという新しい手法を使いながらも、最も大切なのは“誰のために、どう使うか”という視点だとお話しされていたのが印象的でした。

特に「学校教育」「地域学習」「復興ツーリズム」という3つの場を通じて、防災を身近に考える工夫がたくさんあり、KIOKUのような施設ともつながりながら、地域同士が学び合える仕組みづくりに可能性を感じました。

最後には、鈴木教授も加わり、展示とデジタルの役割、現場のリアリティをどう伝えていくか、写真やデータの共有方法など、参加者からもさまざまな質問や意見が飛び交い、会場全体が対話の場となっていました。


災害の記憶はただ“残す”だけではなく、“活かしていく”ことが大切だということ。地域や世代をこえて、KIOKUとしてこれからもつながりを深めていく場づくりを続けてまいります。

イベント概要

■ 開催日時
令和7年(2025年)4月16日(水)13:00~15:00

■ 会場
熊本地震震災ミュージアムKIOKU 企画交流ラウンジ
(熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽5343-1)

■参加費
無料(申込不要、どなたでもご参加いただけます)
※企画交流ラウンジは入場無料です。展示室をご見学の場合は別途観覧料が必要です。

■主催・お問い合わせ
熊本県観光文化部 観光文化政策課
電話:096-333-2011

プログラム概要

13:00~ 基調講演
「活断層地震にどう向き合うか -くまもと阿蘇から世界へ」
講師:鈴木 康弘 氏(名古屋大学 減災連携研究センター 教授)

14:00~ セッション
「災害アーカイブを活用した防災人材育成の取組み ~長野県神城断層地震の事例から~」
講師:内山 琴絵 氏(信州大学 教育学部 助教)